所長コラム(137)「“炎上”の方向」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

今年は猛暑日が過去最高日数になったそうです。気象庁の発表では今年の7月はこの100年余りでもっとも暑かったとのことで、本当に「暑い夏」でしたね。少し外を歩いただけで汗をかいてしまう日が続き、私は可能な限り暑い日は外に出るのを控える毎日でした。

さて、今回はスポーツや運動から少し離れます。

世の中のメディアを見ていると相変わらず「失言」が取り沙汰されています。不祥事で問題になった中古車販売会社の社長(当時)の会見での発言は「失言」と呼べるものではないかもしれませんが、その他にもパリのエッフェル塔の前でポーズをとった写真をSNSにアップした国会議員も、非難を受けた際に「非常に真面目な内容ある研修であった」と釈明して、いわゆる「炎上」という状態になりました。私にとって近いところでは、古くなりますが東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会にいたときに、当時の会長が「女性が多い理事会は時間がかかる」といった発言をして辞任したことがありました。

私は上記のような発言を肯定する立場ではありませんが、一方で今はSNSの爆発的な普及もあって、かつてであればいわゆる「スルー」をされていたような発言が若干ヒステリックに取り沙汰されてしまっているようにも感じています。

特に最近の報道等を見ていると、この手の「炎上」には「そのような発言は如何なものか」という内容である傾向が強いようにも思っています。例えば「国会議員がそのような発言をすることは如何なものか」とか「○○に関して、そのような発言をすることは如何なものか」など、発言の方向が問題になることが多いようで、「この問題についてはこういう発言をするべき」という「正解」以外は認められないような感覚がしています。

一方で現在は「多様性の尊重」が重要な時代になってきています。ですので、私は何か違和感を持ってしまいます。

次回もこの点について書きたいと思います。

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