所長コラム(150)「もう一つの『春』」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

おかげ様で本コラムも150回となりました。これも読んでくださる皆様のおかげです。ありがとうございます。

さて前回は「春の甲子園」とも呼ばれる選抜高等学校野球大会(主催者は「センバツ高校野球」と呼んでいるようです)について書きました。そしてもう一つ「春」に行われる高校生の競技大会として有名なのが「春の高校バレー」(全日本バレーボール高等学校選手権大会)でしょう。以前にも書きましたが、私はバレーボールの担当が長かったので、思い入れがある大会でもあります。

ご記憶の方も少なくないと思いますが、この大会は現在1月に開催されていますが、かつては野球と同様に3月に開催されていました。野球の場合、夏の甲子園大会(全国高等学校野球選手権大会)が終わってから新チームに移行することが多く、7月頃から新チームで活動する上に秋に地方大会などが開催されるため、3月頃には新しいチームではありながらある程度成熟していくことが見込まれるのに対して、バレーボールの場合は長いチームだと秋の国民スポーツ大会(かつては「国体」と呼んでいましたね)まで3年生が参加するため、特にコンビネーションが重要視されるバレーボールでは、新チームになってから間がない3月ではどうしてもレベルが下がってしまうという意見が出て、3年生が参加できる1月に移行されました。当時は「1月が『春』か?」という議論もされましたが、現在に至るまで「春の高校バレー(春高)」と呼ばれて親しまれているのはご存じのとおりです。

受験も控える3年生が冬の大会に参加するのはサッカーバスケットボール、そしてラグビーも同様で、批判する声は昔からありますが、一生懸命に努力する高校生の姿は感動をもたらしてくれるものだとも思います。くれぐれもケガには注意してほしいと同時に思っています。

次回は毎年4月29日に日本武道館で行われる「全日本柔道選手権」について書きたいと思います。

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