所長コラム(146)「Road to Paris」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

さて前回は今年開催されるパリオリンピック・パラリンピックについて書きました。

一方でオリンピック・パラリンピックに出場する予選プロセスもいよいよ佳境を迎えていきます。

例えば男子バスケットボール日本代表チームが昨年行われたFIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア最上位となって出場権を獲得しましたし、女子のバスケットボール日本代表はFIBA女子アジアカップ2023で準優勝となったため、今年2月に行われるFIBA Women’s Olympic Qualifying Tournaments 2024(オリンピック世界最終予選)でオリンピック出場権を狙います

卓球は、来週(1月22日から28日)行われる「天皇杯・皇后杯2024年全日本卓球選手権大会」でシングルス出場の男女2名ずつが決まります。団体戦に出場する男女1選手は「(上記シングルス出場選手)とダブルスが組め、団体戦でシングルスおよびダブルスにて活躍が期待できる選手1名を強化本部が決定する」ということになっています。選手にとっては胃が痛くなるような選考レースがまもなく終わることになりますが、シングルス出場権を獲得できた選手はもちろん、惜しくも獲得できなかった選手にとっても悔いのない結果になって欲しいと心から思います。選手にとっては「あの時こうしておけば」という思いも残るでしょう。一方で今回出場権獲得濃厚と言われる早田ひな選手も東京2020大会では出場権を獲得することができず、同世代の選手の活躍をリザーブとして見ることしかできませんでした。本当にトップ選手が置かれている環境は過酷で、熾烈で、残酷だなぁと思います。

比較的早く代表選手を決める柔道では、東京2020大会で日本初の男女兄妹によるオリンピック金メダル獲得を果たした阿部一二三選手と妹の詩選手が早々に内定を勝ち取った一方で、先月のグランドスラム東京の決勝で永山竜樹選手が、東京2020大会で日本選手団金メダル第1号だった高藤直寿選手を倒し、パリオリンピック出場を内定させました。高藤選手と永山選手は同じ東海大学の3歳違いの先輩・後輩だそうです。決勝で負けた高藤選手が永山選手の頭を軽くたたいて笑顔を見せたシーンには胸が熱くなりました。そういえば、東京2020大会の金メダル以降盤石の強さを見せている阿部一二三選手ですが、東京2020大会の出場権は最後の最後まで決まらず、丸山城志郎選手を20分の延長で倒して獲得したものでした。

このように過酷な出場権レースを経て出場する世界中のトップアスリートが集うのが今年行われるパリオリンピック・パラリンピックです。ぜひ結果だけではなく、そこに至る経過もご覧いただければと思います。

次回は「冬のスポーツも面白い!」という点について書きたいと思います。

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