所長コラム(135)「スポーツの価値と対価」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

年は梅雨が明ける前から猛暑日が観測されるなど、非常に暑い日が多くなっています。今月6日からは第105回全国高等学校野球選手権記念大会(いわゆる「夏の甲子園」ですね)が開幕しています。特にすり鉢状になっている野球場のグラウンド付近では気温が上昇すると報じられていますので、選手の皆さんにはくれぐれも体調に気を付けた上で、存分に実力を発揮していただきたいと思いますが、このことについては、今まで何度も書いてきましたので、今回は別の話題を書きたいと思います。

さて、先月20日からは、オーストラリアとニュージーランドを舞台にして「FIFA 女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド 2023」が開催されています。日本代表「なでしこジャパン」も出場していますね。本コラムの執筆時点ではまだ開幕前なので、なでしこジャパンの活躍の様子はわかりませんが、私は女子サッカーと聞くと、やはり2011年のサッカー女子ワールドカップなでしこジャパンが見事に初優勝したことを思い出します。3月11日に起きた甚大な被害を出してしまった東日本大震災で打ちひしがれていた日本でしたが、決勝で今まで勝ったことがなかったアメリカに対して延長終了間際に澤穂希選手のゴールで追いついて、PK戦の末に撃破したことで一気に国内で盛り上がり、帰国時には成田空港にファンが集まるなど、いわゆる「なでしこフィーバー」という現象が発生しました。なでしこジャパンは団体として初めての国民栄誉賞にも選出され、テレビにも引っ張りだこだったことを思い出します。

なでしこジャパンは翌年のロンドンオリンピック、そしてディフェンディングチャンピオンとして臨んだFIFA女子ワールドカップカナダ2015でともに準優勝を飾りました。そんな輝かしい実績を持つなでしこジャパンですが、今回のワールドカップでは国内のテレビ放送が直前までない状態であることが報道されていました。2011年の優勝メンバーである川澄奈穂美選手と永里優季選手もSNSで訴えていたことも伝えられていましたが、結局大会が始まる1週間前の先月13日にNHKが放送することが決定したので、関係者の方々は安堵なさったことでしょう。

しかし、なぜこのような状態が生まれてしまったのでしょうか。

次回もこの点について書きたいと思います。

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