所長コラム(72)「スポーツ選手の人生計画」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。
さて前回は、日本では、トップ選手から医者や弁護士などになる選手がなぜ少ない?ということを書きました。

日本では、競技で結果を出した子どもを金の卵のように見て、その競技での「打ち込ませて」競争力を上げさせることにのめりこみ過ぎていると思います。
特に周囲の大人たちが「他の事やっている暇があったら練習しろ」あるいは「他の誰よりも練習しないと勝てないぞ」などと子どもにプレッシャーをかけてしまっている例が多いと感じます。
競技で結果を残す子どもに対して、勉強については二の次にしたり、あるいは免除したりする例もあるでしょう。
(私も大学時代に体育会に所属する学生には「授業にすべて欠席しても単位は出す」と宣言していた教授を思い出しました)

一方の子どもは期待されているからと無理をしてケガをしてしまったり、ある時心が折れて競技をやめてしまったりします。
しかし、その時には勉強には既についていくことができず…という不幸を繰り返してはいないでしょうか?
先日、大学スポーツをより良い方向に導く団体として「UNIVAS」が発足しましたが、果たして文武両道の子どもたちがどれだけ増えてくれるのでしょうか?

トップレベルで競技ができる選手は限られていますし、その時期は非常に短いです。
競技を終えた後の人生が豊かになるように、大人たちは子どもの人生をきちんと考えてあげなければならないと思いますし、況や子どもの人生でギャンブルをしてはならないと思います。

次回は「どうなる?東京オリンピック・パラリンピック」について書きたいと思います。

今年も所長コラムをお読みいただきありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください!

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