所長コラム(144)「みんなで考えよう!」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

さて前回は理由を明確にすることが重要であることを書きました。

理由を明確にして発信することは主にリーダーと言われる立場にいる方が行うことが多いですが、一方で受け取る我々も、頭ごなしに信じてしまってはいけないと思います。本当にそういう理由なのか。大義名分はご立派だけど、一方で本音と建前が見え隠れしてしまう場合もあり得ます。もちろん本音と建前を理解することも我々にとって大事ではありますが、言われたことを全て盲信してしまうことは大変なリスクです。

報道等を見ていると「政府が決めてくれないと…」というような発言をインタビュー等で耳にすることがありますが、決めてくれればそのまま正しいと信じ切ってしまうのは、為政者にとっては思うつぼでしょう。一般の我々は何が正しくて何が間違っているのかを把握し、判断することがとても大切でしょう。

我々の生活に関しても、何がクリティカルなのか。それに伴って何をするべきなのか。考えることはたくさんあります。それを全国民が行えば、支持率が低いのに選挙では勝つという不思議な現象も減って、政治家は緊張感を持って、より我々の生活を考えた政策を打ち出してくれると思います。

私の専門であるスポーツや運動の領域でもそうです。もちろん競技で勝つことは楽しいし、嬉しいことです。でも勝者がいれば必ず敗者がいます。少子化で選手の供給数は激減傾向にある中で、どのような経験を子どもたちにさせるべきなのか。特に競技団体に関係する人たちを中心に考えていくべき点だと思います。今までのような「頂点を高めてすそ野を広げる」戦略を採用して実現できる競技はほんの一握りになるでしょう。それで良しと考えるのか。それとも共存共栄の道を探るのか。私は注視していきたいと思います。

さて、今年も一年間拙コラムをお読みいただきありがとうございました。次回は「パリオリンピック・パラリンピック本番の年」について書きたいと思います。

みなさま、よいお年をお迎えください。

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