所長コラム(114)「スポーツを見よう!」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

さて前回は、日本では海外のトップリーグの中継に接することが可能であったが、その主役が配信になってきたことについて書きました。今回もこの点について書きたいと思います。

配信による中継動画というのは、電波を流して終わりという放送とは違い、どのコンテンツがどういう人に、どれだけ見られたのかが詳細に(如実に)わかります。放送にも視聴率という尺度はありますが、どのテレビが何を映しているかを、首都圏では数百世帯のサンプル家庭で調べている程度です(本当はもう少し細かいですが)ので、全数を完全に把握できる配信のプラットフォームは、正確にコンテンツの“力”を量ることができるのです。

プラットフォーム側から見ると、スポーツコンテンツサイドに対して放送権料を支払って放送(配信)権を取得し、それを何らかの形で視聴者に販売してその放送権料相当分を回収するのが基本的なビジネスモデルです。ただ、最近はかつての放送におけるVOD(ビデオ・オン・デマンド)方式、つまり見たい人が都度対価を支払って視聴する権利を購入する方法よりも、サブスク(サブスクリプション=定額料金での登録)方式の方が主流ですので、その場合プラットフォームの考えは「月額料金として集められる登録料を、有効に“力”のあるコンテンツに分配して、登録者にとって魅力的なコンテンツのラインナップを構築したい」ということになります。

逆に言えば、登録者が見たいと思ってくれないコンテンツに放送権料を支払うのは効率的ではないと判断されますので、放送権料の減額や放送権契約の打ち切り(延長せず)ということが起こります。配信プラットフォームが上陸してから数年が経ちましたので、現在そのような取捨選択が行われ始めているのが実情です。

ですので、もし皆さんがこのような配信サービスに登録されているのであれば、ぜひご自身がお好きなコンテンツをご覧になってください。それが、そのコンテンツを守ることに直結します。

次回は近い内容ですが「現地観戦のメリット」というテーマで書きたいと思います。

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