所長コラム(64)「できてしまう、人」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

さて前回は、名選手から指導を受ける場合の大人の認識が重要ということを書きました。

もちろん、名選手は子どもにとっての憧れの存在ですから、将来に向けて夢や目標を持つ…という点では非常に意味のあることだと思います。
しかし、今の日本で「名選手」と言われている人は、しっかりと学んでいる人とご自身の感覚で指導されている人に分かれると感じます。
先月までのコラムに記載した通り、運動には様々な要素が混ざり合っていますし、それを理解して指導しているのかどうかは大人が見極めてあげなければなりません。
そうでないと、最悪の場合にはお子様をケガに導いてしまう可能性もあるからです。

名選手は「勝ち抜いてきた人」なので、自分でできたことをお子様にもできるはずと指導してしまうことがままあるように見受けます。
お子様の成長は各個人で5年程度は違いがあると言われます。
まだ体が出来上がっていないお子様に「毎日〇〇回の練習」などを義務付けた場合、お子様の体が耐えられなかった場合にどんなことが起こってしまうのか。
それでもあの有名選手だったコーチが言うのだからと、親御さんに体の痛みを訴えることもできずに続けてしまったら…考えただけでも恐ろしいことです。
だから私は、この指導者は名選手だったけど指導はどうか?ということを親御さんが見極めてあげてほしいのです。

次回は「スポーツを、楽しむこと」について書きたいと思います。

コメントは利用できません。