所長コラム(116)「現地観戦の”メリット”」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

さて前回は、高齢の方や基礎疾患をお持ちではない方には、感染対策をした上で会場に観戦しに行っていただきたいと書きました。今回もこの点について書きたいと思います。

まずは前回も書きましたが、やはり「臨場感」です。選手の一挙手一投足に対して来場した観客のみなさんの反応が相乗効果を生みだし、選手の素晴らしいパフォーマンスを引き出してくれます。最近有観客で行われた各大会での選手インタビューを見ても、選手側としては観客がいて素晴らしい雰囲気を作り出してくれることには喜びと感謝を表現しています。また今はなかなか難しい状況とはいえ、会場では選手との触れ合いやコミュニケーションの可能性もあり、お目当ての選手と会うことができるかも?しれません。

次に、会場に行くとテレビやインターネット中継では見ることのできない「画面の外」を見ることができます。画面の外にある情報としては、いわゆる「オフ・ザ・ボール」の選手の動きや、交代選手の準備状況、あるいは審判のゼスチャーや監督・コーチ陣の表情など、意外に重要なものが含まれています。特に当該競技をしているお子様には、ぜひ現地での観戦回数を多くしてあげていただきたいと思います。トップ選手がどのように試合をしているのかを知ることが大切な経験になります。

そして少し生々しいですが、会場で観戦するということは、そのスポーツが「金銭的に潤い」ます。直接的には入場券料が入りますが、それ以外にも影響があります。例えば以前に書いた放映権について考えても、来場者が多い競技でなければ放送局や配信プラットフォームは興味を示しません。彼らが放送や配信をするということは「見てくれると思った」証ですから、そう思わせる根拠の一つが「来場者が多いから」ということです。もちろん、それ以外にも経済的効果はありますが、競技側(協会やチーム)の収入は競技環境の向上や選手の待遇改善、観戦環境の充実などに充てられますので、選手のパフォーマンスも向上するはず(苦笑)ですし、私たちの観戦も楽しくなりはず(苦笑)です。

先日は、セーリングの代表選手が資金的に困窮していて、著名人にSNSのDMで資金提供を訴えていた…などというニュースが報道されていました。東京オリンピック・パラリンピックが終了して、スポーツ界へ入る資金は確実に減っていますので、ぜひスポーツがお好きな方は無理のない範囲でぜひ観戦に行きましょう!

次回は「ウィンタースポーツ」について書きたいと思います。

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