所長コラム(93)「東京2020大会、私なりの総括③」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

11月になりました。今年は暑い日が続きましたが、ようやく落ち着いてきましたね。
こうしてあっという間にクリスマス、そして新年を迎えるのですね…

さて、今回も私なりの東京2020大会の総括をしたいと思います。
私もそれなりの年月をスポーツの近くで仕事をしてきましたが、恥ずかしながらパラリンピックをここまでしっかりと見たのは初めてでした。
とはいえ以前に書きましたように会場運営をしておりましたので、私の会場で行われたパラリンピックはかなりの時間をかけて見ることができましたが、他会場の競技は無観客であったことも加わって、ほとんど現地では見られず、報道等で接したものに留まってしまいました。
それでも今までのパラリンピックと比較しても数倍の時間競技を見ることができました。

パラリンピックについての私の印象を一言で申し上げれば「驚き」という言葉がぴったりとした印象です。「ここまでできるのか!」という驚きが最初の感情でした。
様々な障がいを持ったアスリートが使える機能を最大限活用して、時に速く、時に力強く、時に正確に体を操りながら競技を行う姿に圧倒されました。

一方で、これは大変難しい問題でもあるのですが、オリンピックの競技(例えば水泳競技)と比較すると、どうしても障がいがあることもあって時間がかかりますので、純粋に「速い!」という感動には結び付きにくいな…という印象も感じました。
私の場合、一度頭で咀嚼して「すごい」と思うというステップが生じていました。
このことは実は様々な競技の「発展」に影響していると思っていて、例えば女子サッカーがどうしても男子ほどにマーケットが広がりにくいこととも類似しているのではないか?というのが私の考えです。
男子サッカーに比べて女子サッカーはどうしてもスピード、高さ、パワーでは劣ります。
つまり、競技そのものの魅力という観点では男子サッカーの方が見ていて高いと言わざるを得ない。なので、女子サッカーが発展する場合にはそれ以外のアピールポイントを出さなければならないという訳です。
余談ですが、このほど女子サッカーリーグ(WEリーグ)の専務理事に前職の同期が就任しました。彼にはこのアピールポイントを作り出して、WEリーグの発展に寄与してもらいたいと思った次第です。

次回も東京2020大会の私なりの総括を書きたいと思います。

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