所長コラム(91)「東京2020大会、私なりの総括①」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。
10月になりました。本当に月日の経つのは早いと感じるようになりました。今年もあと3か月で終わります。

今年の大きなスポーツのトピックは、やはり東京オリンピック・パラリンピックでした。
これからしばらくは、今までのスタイルを少し変えて、私なりの東京2020大会の総括をしてみたいと思います…と言っても、気が付いたことを書き連ねるところは今まで通りだと思います。

それから、先月末で契約が満了したため、この場では初めて公表いたしますが、実は私(宮島)は組織委員会にて、とある会場の責任者として大会運営を手伝っておりました。
そのため、世の中の方とは少しだけ違う形で東京2020大会を見ることができたとも思っています。
そのようなことも含めて、今回のオリンピックとパラリンピックを通じて思ったことを書いていきます。

まずは「テレビ中継や報道のされ方について」です。
今回は会場の運営に携わっていたので、正直競技中継をじっくり見る時間がほとんど取れませんでした。
ですので私が接することができたのは、結果のダイジェスト番組や新聞、インターネットなどの報道程度でした。
しかし、それらのほとんどは「日本人選手(チーム)のメダル獲得」に集中していたと感じました。
これは今までのオリンピックとパラリンピックと変わりません。

ただ、今回のオリンピック・パラリンピックは自国開催であることから、今までの大会ではなかなか出場権を獲得できなかった競技でも、開催国枠として出場することができました。
ですので私は、そのような競技を取り上げて、その競技の面白さなどをもっと伝えてくれるのではないかと期待していました。
同時に、日本人選手(チーム)が敗退してしまったとしても、その競技の決勝など、世界最高峰の戦いを存分に見せてくれるのではないかとも思っていました。
(これは今までのコラムでも書かせていただいた通りです)

しかし、やはり日本人が出場していない試合の中継は非常に限られており、ニュースなどではほとんど見ることができなかったようです。
この国では、どうしても「がんばれ!ニッポン!」の要素が多くなってしまいますし、その傾向は今まで十分に感じていたことなのですが、それでは強い選手、スター選手がいないと世の中に伝えられることがなくなってしまい、結果「強くなければだめだ」と子どもたちに囲い込みと勝利至上主義が蔓延ってしまう結果を導いてしまいます。

かつて子どもたちは年々増加していましたが、今は極度の少子化が進んでいます。
今までの戦略を転換しなければならない時期に来ています。
そのいい契機に東京2020大会がなってくれればと思ったのですが、残念です。

次回も東京2020大会の私なりの総括を書きたいと思います。

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