所長コラム(80)「学生スポーツの目的と目標」

皆様、こんにちは。運動研究所の宮島です。

さて前回は、コロナ禍で大会がなくなって「目標をどうやって持たせたらいいのか…」と呆然としていた指導者の方に違和感を持った…ということを書きました。

もちろん、競技性があるのがスポーツですから、勝ち負けがつきものなのは十分に理解していますし、それを実際に競い合う大会というものが存在することは、わかりやすい“目標”だと思います。
ただ、大会に出ることは、特に学生スポーツの場合は“目的”ではないはずだと私は思うのです。

学生スポーツの目的は、一つの目標に向かって努力することで心身を鍛えながら、同じ目標を共有した生涯付き合える仲間を得ることなどを通じて、肉体的にだけではなく精神的にも成長させることではないか、と私は思っています。(この点については、私の中でも整理がし切れていないのが正直なところです。一度しっかり考えたいと思っています)
この部分が十分に共有されていることなく、単に勝つことの喜びだけを目的と混同してしまうと、暴力指導などの問題が生じてしまうのではないかと思います。

現在の日本では少子化が激しく進んでいます。
まもなく東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定ですが、社会全体として子どもを大切に育てることを目的として共有しないと「オリンピックで〇〇個の金メダルを獲得しよう!」なんて目標は全くばかげたものになってしまうと思います。

次回は「知っているスポーツとは?」ということについて書きたいと思います。

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